大工になるために地元の工務店で修業していた頃、現場でお施主様と会話するのが好きでした。
家への素朴な疑問、ご家族の話や将来の夢などのお話を交わしたひとときはいい思い出です。
その当時から思っていたのは、いつかジャズのセッションのように現場で作り上げていく家づくりができないかということでした。
今の家づくりは、相談からプラン決定、施工、完成まで淡々と進んでいき、まるで工業製品のようにできあがります。
でも、何かがおかしくはないでしょうか。
会社が大きくなればなるほど、マニュアルが力を持ちます。
もちろんルールがあれば安心できることも多くありますが、融通が利かなくなることもあります。
わたしは新築の引き渡しの日をなんとも複雑な表情で迎える施主様をたくさんみてきました。
ざっくばらんにいつでも大工に相談することができて、それが現場ですぐに反映される。そんな会社を作ろうと思ったのです。

私は工務店というスタイルに誇りを持っています。
これからの家づくりのあるべき姿だと思うからです。
SNSで情報があふれ、誰もが個性を求める時代に合う家を作るインディペンデントな方法があってもいいと思うのです。
工務店は大手よりリーズナブルで真面目にやってくれるけどデザインは苦手というのが一般的なイメージを覆したいのです。
工務店大地は、工務店なのに誰がみても外からも中に入ってもかっこいい家を作ることを目指しています。
統一された色味や素材感、やさしさと静かでつつまれた凛とした「ノイズレス」な空間デザイン。
建築家が作る家やカフェ、ホテルよりも自分の家が一番いいと思っていただける家です。

あなたが家を建てたいと思ったときに地域に頼れる人がいれば最高だと思いませんか。
家の夢は誰もが持っています。
それを叶えてくれる人があなたのそばにいて、一緒になって家づくりをする。
それが理想です。
なぜなら地域の事情をよく知ったうえで、我が事のように家に関わってくれるからです。
街の景観のこと、家族のこと、将来のこと。
そういったいろいろな要素を加味してつくられる家には真心が宿ります。
そんな幸せな一軒一軒が集まってやがて素敵な街になり、都市になっていきます。
私はひとりの住宅人として、地域に寄り添い続けます。

工務店大地
代表　岡田大地